FC2ブログ

第10回京の花絵巻 香りのお話「春の花の香りのあれこれ」


第10回京の花絵巻 香りのお話

「春の花の香りのあれこれ」

春を代表する花々の香りについていろいろご紹介したいと思います。
1月から3月にかけて、この時期特有の春の花々が店頭をにぎわせます。
チューリップ、ラナンキュラス、フリージア等の球根植物やスイートピーも欠かすことのできないお花です。

春のお花は色目や花形が豊富でとても華やかですが、ここで見過ごせないのが、それらにはすべて「香り」があるということです。
そこで、少し香りの種類についてご紹介します。

まず、植物にはすべからず「香り成分」があります。
人間になおせば「体臭」みたいなもんです。「臭」と「香」では意味合い的にえらい差がありますが、そこはスルーでお願いします(・∀・)
植物が香るメカニズムについては、現在も100%解明はされておりません。
「香りは日中に香るものと夜に香るものと分けられる」
「香り成分は、表に出やすいものと出にくいものがある」
「一種類だけでなく、何種類もある」
「植物の香りは、種の保存のためにある」

この四つを抑えていれば、花き業務における香りについてのことはカバーできると思います。

では各項目について、少しだけこまかく解説していきましょう。
けっして難しくはないので、お付き合い願います。

①芳香性の植物には昼間に香りを多く発するものと、夜間に香りを発するものと区別できます。 香りを商売にする場合で、とくに切花・切り枝を扱いつつ香りにも期待するのであれば、間違いなく「昼間に香りをだす植物」をチョイスする方が望ましいといえます。
では、昼間に香りを発するものってなにがあるでしょう?
今(2月現在)だとバラ・百合は勿論のこと、上記の球根系草花が定石です。
花木ですと、まず沈丁花は外せません。市場流通はめっきり減りましたが、あの酸味と甘みのあるしっかりした香りは日本の春を感じさせます。
春の枝ものとなると早出の敬翁桜が頭にうかびますが、残念ながら香りはまったく感じられません。 ただし大島桜は、しっかり芳香を放ちます。ちなみにですが、桜餅に使われる桜の葉っぱは大島桜の葉っぱの塩漬けです。
閑話休題、最近では日持ちや土を屋内に持ち込みたくないという消費者も増えてきています。 衛生上の問題だったり、枯れたあとの後始末(鉢物だと鉢や残土の処理に苦慮する消費者多し)が面倒くさいというのが主な理由です。
つまり、
切り枝にとっては、切花と同じくらいホームユース需要としての可能性は我々の想像以上に広がる可能性がある!、、ともいえます。
反対に、夜型の芳香性花木(草花含む)は、夜のお店だったり鉢物で楽しむというアテンドが芳しいかもしれません。

②植物は基本的に「香り成分」はどれも持っていると考えていいと思います。有機物であるいじょう、まったくの無臭なんて考える方が無理がある。(※学術的根拠はありません)
香りの研究で判明したことのひとつに、まずそもそも香りというものは「香気成分」という化学物質がいろいろ混ざって発生することがわかっています。難しい成分の名前や種類や化学式とかはおいておいて、それらには外に出やすいものと出にくい(むしろ出ない)ものがあります。
つまり、なんにもしなくても香りがする植物は「香りが出やすい香り成分をもった植物」である となります。でもまあ実際、仕入れや品種選定時に「これって香り成分やどんなの?」とかそんな仕入れ方するのはナンセンスです。
意識的に、香りがするものはなぁに?という部分だけしっかり覚えておくと、あとは簡単な応用で芳香品目品種を仕入れたり、お客様にご案内できると思います。 これだけで受け手側からの見方はぐっと変わってくると思います。

③出来るだけ簡単にと進めてまいりましたが、ここだけ少し専門的な話をちょこっとだけ、ちょこーっとだけします。いや、覚えておいて絶対損はないです。(おそらく)
長年実施され、今も続いている花の香りについての研究の結果、花の香りは下記に分類されています。
・アニス(甘さとスパイシーな感じの香り)
・シトラス(柑橘系の甘く爽やかな感じの香り)
・フルーティ(柑橘系以外のフルーツっぽい感じの香り)
・グリーン(青臭い香り)
・ハーバル(ハーブっぽい香り)
・ハーバルハニー(ハーブに少し甘みを足したような感じの香り)
・ロージー(バラみたいな香り)
・スパイシー(薬っぽいようなスパイスっぽいような香り)
・ウッディ(木や森の香り) 
と、こんな感じです。いっぱいありますね。覚えきる自信はありません♪
実はこれ、筑波にある国立農研機構の先生がチューリップの香気について研究されたさいにまとめられた区分になります。
ベースはチューリップですが、これで十分他の花々にも応用がきかせられますのでこちら区分け方をお借りして、簡単にわかりやすくまとめてみました。

<アニス香>
・水仙(特にラッパ水仙系のもの) ・チューリップ(アップスター、ハウステンボス等)
・宿根スィートピー(ブルーフレグランス)
※甘ったるい感じがしつつもどこかピリっと来る感じ。

<シトラス(含フルーティ)香>
・スィートピー ・チューリップ(バルバドス、バレリーナ等) ・フリージア
・ラナンキュラス(シバス等一部品種) その他
※スーっとした感じ。清涼感のある甘さ感。ラムネ系菓子っぽい感じ。

<ハーバル香>
・カモミール ・マトリカリア ・チューリップ(モンテカルロ、ダベンポート等)
・一部のマム類(カリメロホワイト、セイスピース、アロマム等)
※いわゆるハーブティーっぽいよな?コレ みたいなところは概ねこのグループで考えていいと思います。ラベンダーもそうかな?
<グリーン香>
・ストック ・菜の花 ・チューリップ(アンジェリケ、フレミングパーロット等)
※いわゆる野菜っぽい感じ。

<スパイシー香>
・ゼラニウム ・ユーカリ(銀世界) ・スカビオサ
・チューリップ(カプリ、ストロングゴールド等)
※甘さが強かったり酸味が強かったりとまちまちですが、その中でもなんかこう ピリっと鼻を刺激する感じのする感じ。

<ウッディ香>
・チューリップ(イルデフランス、クィーンオブナイト)
※筆者もしょうじきなところ、これよくわかんないです。
一般的に「木の香り」を感じるものの代名詞としては、杉だったり檜だったり松だったりします。つまり、そんな感じの香りがこの花はするなぁ と感じたら、その花はウッディ香なのかもしれません。

スポンサーサイト